羞恥の快楽　～解剖～

　　　　　　　　　　　
小学校３年生の頃のお話です。同じクラスに気弱そうな、いつも教室の片隅にぽつんといる、つるみたかし君という男の子がいました。クラスに必ず一人はいる、勉強も運動もできない落ちこぼれ、しかも根暗な男子。おまけに、つるみたかし君には「しらみ疑惑」までありました。 その頃、私の小学校では「集団リンチ」や「いじめ」が流行っていましたので、つるみたかし君のような、いつもおどおどしている男子はもちろん、いじめの対象になります。私はクラス内で、「もやしっこ軍団」と呼ばれる女子グループに所属していたのですが（あの頃は仲間外れやいじめが一番の恐怖だったので、集団化するしかなかったのです）、ある日、ボス格の女子が「あいつ、そばにいるだけで気持ち悪い、みんなでシメよ～よ！」と言い出しました。私は特に、つるみたかし君をリンチしたいとは思いませんでしたが、ボスの命令には絶対に逆らえない雰囲気があの頃には漂っていて、女の子５人集団リンチのなかに加わってしまいました。

 

放課後、さっそく、つるみたかし君を体育館の裏に呼び出しました。つるみたかし君はおどおどしながらも、素直に体育館の裏へやってきました。そんな、つるみたかし君を女子５人で囲み、コンパスの針をちらつかせながら……。
「気持ちが悪いんだよ～！」
「バイ菌がつくからそばに寄らないで～！」
「一回、死んだほうがイイよ」
などなど、イジメの言葉を浴びせかけていたのですが、つるみたかし君はおどおどしながら「ハイ、すみません」とあやまるばかり。そんな反応だけでは、リンチしている側としておもしろくもなんともありません。血まではいかなくても涙が見たかったのです。リンチの最終手段として、「みんなの前でパンツ脱げ！」ということになりました（あの頃の小学生のイジメってこんなモンではないでしょうか）。

つるみたかし君はうつむきながら頭を横にふり、無言で抵抗しました。イジメの言葉には慣れていたけれど、女子の前でちんぽを見せることには抵抗があったようです。
でも、抵抗されると、リンチする側はますます燃えます。
「早く、脱げ！見せろ！」と５人の女子みんなで罵声を浴びせかけているうちに、私もだんだん、テンションがあがっていきました。

無言で抵抗し続ける、つるみたかし君のズボンを誰かが脱がそうとしました。

そのとき、初めて、つるみたかし君は「ヤメろ！」と大きな声で叫びましたが、女子５人の集団威力はそんなときにまとまります。今度は「ズボンおろし＆パンツ脱がせ」をみんなで協力しながら、行いました。

つるみたかし君のパンツを脱がしたら、本当にち～っちゃな、まだ毛の生えていない、親指みたいなちんこが出てきました。私たちはそれを見ながら「アハハハハハ～！」と悪魔のように笑い飛ばし、夕暮れとともに集団リンチが終了しました。

次の日、私たちは先生に呼ばれ、こっぴどく怒られました。
つるみたかし君がリンチのことを先生にチクっていたようです。

その後も相変わらず、つるみたかし君はおどおどしながら、教室の片隅にぽつんといました。
あのときの女子５人集団リンチが大人になっていく彼の性癖に何かしらの影響を与えたのかどうかはわかりませんが、集団の女子にちんぽを見られたという羞恥体験が彼のマゾ性を開花させてしまったような、気がしないでもありません。

 

女子の集団にパンツを脱がされ、とっても恥ずかしいちんぽを見られてバカにされることを変態さんのあいだでは「解剖」と呼ぶそうです。