子どもに「性」のことを教えるのってなんだか難しい……。そんな思春期の子どもを持つ親に向けて書かれた親子共学―子どもに伝えたい大切なこと / 村瀬 幸浩 親や教師が一方的に「性」の情報を子どもに伝えるのではなく、子どもと一緒に「性」を学ぶことをコンセプトにした良書です。丁寧に、そしてわかりやすく、親と子どもが学ぶ「性教育」のことが書いてあります。付録には女子児童向けの「母から娘へ」・男子児童向けの「父から息子へ」と、2枚のDVDがついているので家庭で「性」について語るよいきっかけづくりになることでしょう!
4人家族の一般的な家庭。男の子も女の子も多感な時期で何やら悩みを抱えている様子。女の子の名前は未来ちゃん。未来ちゃんが性の悩みを打ち明けやすいように男性陣は気をつかって別室へ向かいます。そして、お母さんと未来ちゃんがふたりっきりになり、思春期の女の子の悩み相談が始まるのです。
最近、胸が痛くなったり、下着に白いものがつくようになったことに気づき始めた未来ちゃん。お母さんは自分の体験談を交えながら女の子のからだの変化について、優しく説明します。下着につく白いものは「おりものというのよ」と説明し、「おりもの」の働きや重要性についてわかりやすくお話してくれます。
つづいて、月経のしくみや女性器の名称を丁寧に解説。
また、「女性器の形や色は人それぞれなの」ということまで優しいお母さんは教えてくれるのです。
「女性器は赤ちゃんが出てくるとっても大切なところ」と説明した上で、大切だからこそ、むやみに触らせてはいけないと注意するお母さん。
「女」として先輩でもあるお母さんは生理痛を和らげるための運動、「猫の背中体操」を娘に伝授。
未来ちゃんは「勃起」という言葉さえも知りませんでした。
未来ちゃんはマスターベーションという言葉を聞くのも初めてでした。でも、お母さんはインターネットや悪書に触れる機会が多くなった現代の子どもたちを憂い、きちんと正確に「マスターベーション」の知識を娘に伝えます。
また、「性同一性障害」のことにも触れ、「むやみに差別してはいけない」と性教育とともに道徳について学ばせるお母さんの姿勢は立派です。
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